太陽光発電はとても魅力的ですが、いくつかの法律の規制のもとに行う必要があります。もちろん、細かい点は専門家に確認してもらえば良いのですが、概要を捉えておくことは余計な出費や不安を避けるという意味でも大切です。
太陽光発電では主に7つの関連法律を押さえておきましょう。
建築基準法
家庭で行う太陽光発電でまず関わるのが、建築基準法です。一般的に太陽光パネル(モジュール)は、屋根の上に設置することになりますが、この時に建築基準法を満たす必要があります。
庭や農地など土地に太陽光パネルを設置する場合は、建築基準法の制限を受けません。ただい、太陽光パネルの下に日常的に人が入れる状況の場合は建築基準法の適用を受けるので、注意が必要です。
固定買取制度
厳密には法律ではありませんが、太陽光発電をするのにある意味一番気になる制度です。固定買取制度によって、発電した電気を何年買い取ってもらえるのか、いくらになるのかが変わってきます。
収益に直結する部分ですし、毎年のように変更されるので、必ずチェックするようにしましょう。
農地法
農地で太陽光発電を行う場合、勝手にシステムを設置することはできません。それは農地法で定められており、もし太陽光発電を行う場合には転用の申請を出し、強化を受けることが必要です。
農業を続けながら、農地の一部のスペースを使って太陽光発電を行いたい場合には、ソーラーシェアリングというシステムを使うこともできます。ただしこの場合も所定の手続きをすることが必要で、毎年農地で農業を行なっていることの証明をしなければなりません。
しかし、農地は一度転用してしまうと基本的には二度と農地に戻せないので、迷っている場合は一度ソーラーシェアリングを導入して、最終的に転用するかの判断をした方が良いでしょう。
電気事業法
一般家庭で行う太陽光発電で関わることはほぼありませんが、電気事業法というものがあることも知っておいた方が良いでしょう。
発電量が50kWになると適用を受ける法律です。しかし一般家庭の屋根の上のみで太陽光発電を行う場合は、10kW程度なので多くの場合は心配いりません。
大きな土地を持っていてそこで太陽光発電を行う場合は適用となる可能性があり、電気主任技術者を置いたり、専用の届け出などが必要になるので注意しましょう。
森林法
広大な土地、また木を切り倒したスペースで太陽光発電を行いたいと考えている場合には、森林法を考慮する必要があります。
森林法は平たく言えば、森林を守るための法律で、たとえ所有物でも勝手に開発などができないように定められています。
具体的には1ヘクタール以上の土地で太陽光発電を行う場合、木を切り倒す場合には適用を受ける可能性があるので、確認するようにしましょう。
都市計画法
地域によって細かなルールが異なりますが、所有者によって勝手に開発されないように定められているのが都市計画法です。
家庭用の太陽光発電システムが都市計画法の適用を受けることはありませんが、面積が約0.1ヘクタール、300坪程度に及ぶと関係してくる可能性があります。
国土利用計画法
一般家庭での太陽光発電はほぼ関係ありませんが、2000m2以上の土地で太陽光発電を行う場合には適用となります。2000m2とは約600坪なので、かなり広大な土地と言えるでしょう。
航空法
空港の近くで太陽光発電を行う場合は適用を受けるので注意が必要です。ただしよほど大きなシステムでない限りは問題となりません。
【まとめ】関連法律を知って安心して始めよう
一般家庭で行う太陽光発電で関わってくるのは、建築基準法、固定買取制度、農地法の3つ程度ですが、関連法律の全体像を把握しておくことでより安心して始められるでしょう。
法律はとても難しく、人によって解釈が異なるので、太陽光発電を始める際には専門家の説明を聞くようにするのが大切です。