太陽光発電に限らず、どんな商品もサービスもカタログ値は“明るい数字”が並んでいることが多いです。カタログは売り手が作っているので当然といえば当然ですが、カタログ値と実際があまりにも違うという事態は避けたいですよね。
そこで太陽光発電におけるカタログ値で確認しておきたいポイントと、実際はどういった傾向になるのかについて説明していきます。
カタログ値で理解しておきたい3つの条件
カタログ値は、光の強さ、太陽光パネルの温度、光のスペクトル(分光分布)を一定の条件の下に測定されます。その条件をしっかりと理解しておきましょう。
光の強さ
カタログ値での光の強さは、基本的に【1000W/m2】を基準とします。【1000W/m2】を実際の太陽の光に置き換えると、実は夏のよく晴れた日くらいです。天気の悪い日や夏以外の季節ではカタログ値より発電量は落ちるということになります。つまり、少なく見積もっても1年の4分の3はカタログ値よりも、発電量が少ないと見ておくべきです。
太陽光パネルの温度
カタログ値では、太陽光パネルの温度が【25度】という条件下で測定されています。【モジュール温度】と記載されている部分がそれにあたります。
太陽光パネルの温度は光の強さとは反対に、温度が低いほど発電効率が上がります。25度と言えば、春と秋の昼間の気温です。夏でも朝のうちは25度程度の日もありますが、近年は平均気温が上昇傾向にありますので、その点を考慮しておいた方が良いでしょう。
光のスペクトル(分光分布)
3つめは専門的になりますが、光のスペクトル(分光分布)を簡単にいうと、光の質です。「光の波長が長い」といったことを聞いたことがあるかと思いますが、様々な波長の長さをもつ光がどういったバランスで含まれているかを表すのが、光のスペクトル(分光分布)で、これは光が入ってくる角度に依存します。
カタログ値では、【AM(エアマス)1.5】という太陽高度42度に当たる条件が採用されていますが、この角度で日本に太陽光が降り注ぐのは実は年に1、2日ほどと言われています。
しかし同じ日本とはいえ広いので、場所によって太陽光が降り注ぐ角度は異なりますし、季節によっても違うので、うまい条件を基準とできないのはある程度仕方なのないことなのかもしれません。
カタログ値と実際
カタログ値の条件はかなり稀有な状態なので、実際は発電量は落ちると考えた方が良いでしょう。最初の条件である光の強さだけでも、雨が降るだけで発電量は80%以上落ちると言われているくらいです。
実際に太陽光発電を導入して発電量を計測したら、カタログ値の4分の1程度だったという人もいるので、カタログ値だけで皮算用するのはかなり危険なことがわかります。
【まとめ】太陽光発電で失敗しないために
実際の発電量はカタログ値よりもかなり落ちることを想定した上で、設置場所や設置角度などを業者と綿密に打ち合わせして決める必要があります。
日照時間や平均気温、太陽光が入ってくる角度は地域によって違うほか、家の立地や形状によっても対策方法が異なります。
そうしたことを加味した上で、ベストな提案をしてくれる技術力の高い専門業者を見つけることが太陽光発電で成功するポイントになるでしょう。